- 新規免疫チェックポイント阻害薬との併用療法が複数の固形がんで高い奏効率を示した
- 特に肺がん・胃がん・大腸がんへの効果が注目されている
- 副作用プロファイルも既存療法と比べて良好であることが確認された
国立がん研究センターが主導する国内多施設共同臨床試験(第II相)の中間解析結果が6月27日に発表され、新規免疫チェックポイント阻害薬「MRX-501」と既存の標準療法との併用が、複数の固形がん種において著しく高い奏効率を達成したことが明らかになりました。
臨床試験の概要と結果
本試験は2024年10月から開始され、肺がん・胃がん・大腸がん・膵がんを対象に計428名の患者が登録されました。中間解析時点でのデータカットオフは2026年5月末です。
主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は全コホート平均で42.3%となり、同様のステージを対象とした既存の標準療法(歴史的対照:ORR 18-22%)を大幅に上回りました。疾患コントロール率(DCR)も73.5%と良好な数値を示しています。
がん種別の奏効率
がん種別に見ると、特に肺がん(非小細胞肺がん)コホートで奏効率が高く、PD-L1高発現群では奏効率が61.8%に達しました。胃がんコホートでも38.4%と期待される水準を上回っています。
- 非小細胞肺がん(NSCLC):ORR 48.2%(PD-L1高発現群:61.8%)
- 胃がん・胃食道接合部がん:ORR 38.4%
- 大腸がん(dMMR/MSI-H):ORR 52.1%
- 膵がん:ORR 18.6%(既存療法比で依然として改善を示す)
注目される安全性プロファイル
免疫療法において懸念される免疫関連有害事象(irAE)については、Grade 3以上の重篤な有害事象が全体の11.2%と、既存の免疫チェックポイント阻害薬単剤(15-20%程度)と比べて低い水準に留まりました。
本試験の結果はまだ第II相試験の中間解析であり、最終的な有効性・安全性の確立には第III相試験の完了を待つ必要があります。現時点では一般的な治療選択肢にはなっておらず、主治医との相談が不可欠です。
専門家のコメント
監修した山田太郎医師(腫瘍内科専門医)は次のようにコメントしています。「今回の中間解析結果は非常に期待できるものですが、まだ試験途中であることを忘れてはなりません。患者さんが治療選択を行う際は、必ず担当の腫瘍内科医と十分に相談したうえで判断してください。」
今後は第III相試験への移行が計画されており、国際共同試験として日米欧の主要がんセンターが参加する見通しです。承認申請は早ければ2028年度を目指すとのことです。
まとめ
新規免疫チェックポイント阻害薬MRX-501の併用療法は、複数の固形がんにおいて既存療法を大幅に上回る奏効率を示し、安全性プロファイルも良好であることが確認されました。がん治療の新たな選択肢として、今後の研究成果が大いに注目されます。HealthWaveでは引き続き最新の臨床試験情報をお届けしてまいります。